こんにちは!皆さんご存じでしょうか?日本はまだ家については長寿国ではないのです。
というのもヨーロッパには100年以上も家族が暮らし続ける住宅が当たり前に存在します。そんな長寿命住宅の概念を日本に持ち込んだのが、ヘーベルハウスです。
今回は、築50年を超えるヘーベルハウスに住み続けるK邸の物語をご紹介します。この家は単なる建物ではなく、まさに「未来に向いて建っている」と言えるでしょう。
この家を建てたのは、化学の研究に携わっていた語り手の父親でした。父親がヘーベルハウスを選んだ決め手は、その革新的な壁材でした。
「地球が数万年かけて生み出す『トバモライト結晶』をふんだんに含んだ壁は乾燥による収縮や熱膨張が小さいため、夏の酷暑や冬の乾燥に強く、経年変化が極めて少ない」
このセールスマンの説明に、父は深く感銘を受けたそうです。科学者らしい反応だったと振り返ります。
父親には「ワインは教養」という口癖がありました。ワインの熟成過程も化学変化の一種。父親はワインを通じて、単なる飲み物以上のものを見出していたのです。
これらの要素は、ワインだけでなく、家にも通じるものがあります。父親は「物」ではなく「物語」を求めていたのかもしれません。
父親が亡くなった後、家の建て直しを検討した際、驚くべき発見がありました。壁や柱の状態が、まるで時が止まったかのようにきれいだったのです。50年という歳月を経ているにもかかわらず、その基礎は驚くほど健全でした。
この発見により、家族は建て直しではなく、部分的なリフォームを選択しました。家の基礎が劣化していないのなら、そこに快適さを加えていくことで、さらに価値が深まっていくはずだと考えたのです。
リフォーム後も、この家には変わらない要素がたくさん残っています。
これらの「なんでもないようでかけがえのない物語」が、今も脈々と続いているのです。
まさに、時とともに価値が深まっていく様子は、父親が愛したワインと同じです。この家は、子から孫へと受け継がれながら、幸福へ向かう化学変化を繰り返していくことでしょう。
ヘーベルハウスは、単なる住宅ではありません。それは、家族の歴史と共に成長し、世代を超えて受け継がれていく生きた存在なのです。50年という時を経て、この家は今も「未来に向いて建っている」のです。
あなたの家は、どんな物語を紡いでいますか? 家族と共に歩む時間の価値を、今一度考えてみてはいかがでしょうか。